こんにちは、福井で健康と安全にこだわった注文住宅を手がけるシャルールホームです。
地震に強い建物にするためには、
・形状をできるだけシンプルにする
・大空間をつくらない
・柱の位置を均等にする
・耐力壁をバランスよく配置する
など、さまざまなポイントがありますが、
・屋根を軽くする
というのも、地震に強い建物の要素のひとつです。
屋根が重いと、地震が起きたときに地震力(地震が起こったときに地面に水平に加わる力)が大きく働くため、1階部分が上階を支えきれずに倒壊してしまいます。
耐震性を考えると、屋根材には重量のある瓦よりもスレートのような軽い材質を用いた方がよいといわれるのは、そのため。
ここまで読んで、気付いた方もいらっしゃるかもしれませんね。
「じゃあ、雪はどうなるの?」
そうなんです。だから、冬の地震は怖いのです。
万が一、屋根に積雪しているときに地震が起きたらどうなってしまうのでしょうか?
毎年雪かきをしている皆さんは身に染みていらっしゃることと思いますが、雪は本当に重たいです。1平米で300~500kgはあるといわれています。
福井の雪は水分が多いので、なかでも重たい雪質に分類されます。
そのため、構造計算では雪の荷重も考慮することになっています。
つまり、同じ耐震等級1でも、雪の降らない地域の建物より、福井の建物の方が強度が高いということになります。
そのため、積雪地域では耐震等級3を求めるお客さまに対し、
「雪国の家は、耐震等級2でも実質的には耐震等級3の強度がありますよ」
と、説明する住宅会社もあるようです。
それは、必ずしも“嘘”ではありませんが、正しいとは言えません。
積雪が考慮されているのは、積雪がある状態で地震が起きたときのリスクを回避するためであり、『耐震等級3』を担保するものではないのです。
先にも説明したように、屋根に雪の載った状態で地震がきたら、平常時よりも地震による倒壊リスクは高まります。
だから、積雪地域であってもやはり耐震等級3は必要なのです。
一説によると「豪雪のあとで大地震が発生しやすい」という研究結果もあるようです。
たとえば、熊本地震が起きたのは4月ですが、同じ年の1月には九州各地で大雪が観測されています。
東北地方太平洋沖地震は3月で、前年12月から2月にかけて全国的な豪雪がありました。
実際に、雪と地震には深い関連性があるといわれており、積雪時に大地震がくる確率は決して低くはないのです。
また、想定外の被害が出やすいのが、積雪時の地震被害。
地震による倒壊は、1階部分が崩れるのが一般的。だから、2階に逃げればよい。2階に寝室があれば寝ている間に地震が来ても命は助かると思われがちです。
しかし、1961年(昭和36年)の2月に発生した新潟県の長岡地震では、2階部分が潰れた家が目立ったといいます。
なぜか? 1階部分は分厚い雪に覆われていたことで守られたのです。
また、雪のなかでは避難するだけでも大変ですし、避難所での寝泊まりも寒さによってつらさが倍増します。
積雪量が減ったとはいえ、福井県も数年に一度は豪雪に見舞われています。
雪国の家の強度に安心するのではなく、雪国であるからこそのリスクを見通し、万が一に備えておくことが大切ですよ。